SE-102
- 点測定
最速約1/10秒間隔のリアルタイム測定が可能。膜厚の時間変動解析などにも有効です。
- 線測定
0.2mm間隔/100点のデータを約5秒で測定。
段差計では得られない、『膜厚変化』を手軽に測定できます。
- 面測定
約2mm幅の領域を、最長20mmまでスキャン測定。
5万点の高解像度面データを約30秒でスキャン、測定結果出力までトータルで約1分と、圧倒的な高速性を誇ります。
製品概要
- エリプソメータとは、光学薄膜の膜厚と屈折率とを同時に測定することができる測定装置です。その原理は、サンプルからの反射光が、膜厚と屈折率に応じて偏光状態を変化する現象を利用しています。 従ってエリプソメータの基本構成は、光源と受光素子に加えて偏光状態を計測するための仕組みが加わります。
この手法では、段差計などでは計測不可能な極めて薄い膜の計測が可能なため、 近年その重要性や利用分野が広がりつつあります。 - 従来のエリプソメータでは、装置の大きさが課題の一つでした。それは、偏光状態を計測する仕組みとして、右図に示すように、偏光子や波長板などの光学素子を回転させる駆動機構が不可欠だったからです。
この問題は、複数あるエリプソメータの方式に共通する課題でした。 - 転駆動機構は欠かせない、そんな既成概念を、PCAエリプソメータは打ち破りました。
フォトニック結晶アレイとCCDの組み合わせにより、エリプソメータから完全に駆動機構を排除することに成功したのです。
小型軽量で高精度、しかも使用可能環境が飛躍的に広がりました。PCAエリプソメータは、エリプソメータの概念を変えます。
主な仕様
SE-102 | |
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測定方式 | フォトニック結晶アレイ並列処理方式 |
光源 | 半導体レーザ(typ. 636nm) |
測定スポット | 約 2mm角(点測定時)、 0.1mm以上()面測定時の解像度 |
測定再現性*1 | 膜厚: 0.1nm, 屈折率: 0.001※ |
測定速度 | ストローク:10mm(固定) 幅:2.2mm(固定) |
線測定 |
ストローク:20mm(固定) |
面測定 | ストローク:10mm(固定) 幅:2.2mm(固定) |
サンプルステージ | ステージサイズ:4インチ |
本体寸法/重量 | W300 × D235 × H258 [mm]*2 約9kg |
製品内容 | SE-102本体、レーザ光源ユニット、オートコリメータユニット、ケーブル類、操作用PC、ソフトウェア、標準サンプル 取扱説明書 |
※1 Siウェハ上のSiO2層(100nm)を入射角70°にて定点測定した標準偏差
※2 ステージ調整つまみ等の突起部を含まない寸法
仕様は製品改善などの為に変更する場合もあります。
動作原理
- PCAエリプソメータには、波長板アレイ・偏光子(一様)・CCDが右図の様に配置されています。
波長板アレイは、主軸方位の少しづつ異なる短冊状の波長板が並ぶ構成を有し、これと一様な無機偏光子とがCCDの画素と一体化されています。この構成により、従来波長板や偏光子を回転させることで得ていた情報が、CCD面上の配列として取得されるのです。
- サンプルの膜厚や屈折率を反映した偏光情報は、CCD上の明暗の面分布パターンとして取得されます。これを独自のアルゴリズムで解析することにより、サンプルの膜厚や屈折率などの情報がが算出されます。
- 光源・フォトニック結晶・CCDのみが基本構成で、回転駆動部の無いこの方式の特徴は、
- 究極の小型化が可能である、
- 素子の軸方位が正確で高精度なこと、
- 高速測定が可能であること、
- 駆動部レスで使用可能環境が広いこと、
が挙げられます。
フォトニック結晶アレイ並列処理方式は、エリプソメータの限界を超える、優れた計測方式です。
応用例
着脱可能なヘッドユニット
- SE-102では、レーザ照射系と偏光センサー、オートコリメータをヘッドユニットに一体化、着脱可能にしました。
SE-102のヘッドユニットを測定サンプルに対して位置合わせするだけで、様々なシステムへのエリプソ機能の導入が可能になります。 - エリプソメーターならではの高精度測定を、手軽にご自身のシステムに組み込んでご活用いただけます。
組み込み用途にご活用いただけるソフトウェアキット(SDK)は、2012年9月発売予定です。