高性能、簡単操作、堅牢設計、信頼性
このハンドヘルド厚さ計は超音波肉厚測定のほとんどの検査用途に対応し、二振動子型探触子および一振動子型探触子のすべての探触子を使用できます。 38DL PLUSは二振動子型探触子による内部腐食したパイプの減肉測定から、一振動子型探触子による薄い材料あるいは多層材料の正確な厚さ測定まで幅広い用途に使用可能です。
38DL PLUSは、高性能な上に使いやすい測定機能を数多く標準搭載し、特殊用途のためにソフトウェアオプションも多く用意しています。 筐体は、防水・防じん性能規格IP67相当の気密設計で、液体や埃などの過酷な環境に対する耐久性を備えています。 また、半透過型液晶VGAカラーディスプレイにより、屋内外でもデータをはっきりと読み取ることができます。 左手でも右手でもキー操作がしやすいシンプルなキーパッドデザインとなっており、すべての機能に簡単にアクセス可能です。
特長
- 二振動子型探触子および一振動子型探触子対応
- 広い厚さ測定範囲: 0.08 mm ~635 mm (材料、探触子タイプにより異なります)
- 二振動子型探触子を使用した腐食厚さ測定
- 塗装およびコーティングされた材料に対するTHRU-COATテクノロジーとエコーtoエコー測定
- 内部酸化 / スケールソフトウェアオプション
- すべての探触子において0.01 mmの標準分解能で測定可能
- 一振動子型探触子(2.25 MHz~30 MHz)において0.001 mmの高分解能で測定可能(ソフトウェアオプション)
- 最大4層までの厚さを同時に測定可能な多層材ソフトウェアオプション
- グラスファイバー、ゴム、厚い鋳造品などの減衰材の厚さ測定が可能なハイペネトレーションソフトウェアオプション
- 厚さ、材料音速、伝播時間の測定可能
- ディファレンシャルモードおよびリダクションレートモード
- タイムベースによるB-スキャンモード: スキャンするごとに10,000件の厚さ測定値を確認可能
- デジタルフィルター搭載ダイナミックゲインテクノロジー
- V-Path Builder(ブイパスビルダー)により、二振動子型探触子での測定精度向上
- EN15317(超音波厚さ計性能規格)準拠
アプリケーション
・内面が腐食した金属の減肉測定
38DL PLUSの主な用途の一つは、パイプ、チューブ、タンク、圧力容器、船体など、内部が腐食や浸食の影響を受ける金属構造物の残存肉厚測定です。このような用途には一般的に二振動子型探触子を使用します。
- エビデントのD79Xシリーズ二振動子型探触子に対応し、自動探触子認識機能有り
- 二振動子型探触子のカスタムセットアップを10個まで保存可能
- 二振動子型探触子を校正する際に既定ゲインを最適化
- V-Path Builder(ブイパスビルダー)により、二振動子型探触子での測定精度を向上
- 校正中に発生するエコーのダブリングエラーを知らせるアラーム表示
- THRU-COAT(スルーコート)機能とエコーtoエコー測定による塗装またはコーティングされた材料の母材厚さ測定
- 高温測定が可能:最高500°C
- M2017あるいはM2091一振動子型探触子によるボイラーチューブ内面の酸化スケール測定(オプション)
- EMAT探触子(E110-SB):接触媒質を使用することなく、表面に浮きさびが堆積したボイラーチューブの残存肉厚を測定することが可能
THRU-COAT(スルーコート)機能
一つの底面反射エコーのみを使用して金属母材の厚さを測定します。38DL PLUSは、金属とコーティングのそれぞれの材料音速を高精度に調整して両方の厚さを表示します。金属母材の厚さ測定のために、表面から塗装やコーティングを除去する必要がありません。THRU-COAT(スルーコート)機能には、二振動子型探触子(D7906-SM、D7906-RM、D7908)を使用します。
温度補正機能
材料温度の変化は、音速に変化をもたらし厚さ測定の精度に影響します。温度補正機能は、校正用試験片の温度と測定対象物の温度を手動で入力することができます。38DL PLUSは、温度補正した厚さを自動的に表示します。
酸化スケール測定(オプション)
このオプション機能では、ボイラーチューブの内面に形成する酸化スケールの厚さを測定するアルゴリズムを使用しています。厚さ計は、ボイラーチューブの金属の厚さとスケール層の厚さを同時に表示します。酸化スケールの厚さを調査することは、配管の寿命の予測に役立ちます。このような用途には、M2017またはM2091探触子の使用をお奨めします。
V-Path Buildar(ブイパスビルダー)
この機能は、ほとんどの二振動子型探触子でカスタムV-パス補正曲線を作成することができます。この補正曲線は、二振動子型探触子のカスタムセットアップにより保存・呼出が可能です。V-パス補正曲線の作成は3~10の校正ポイントで探触子を当て、既に分かっている厚さ値を入力するだけです。
・プラスチック、金属、複合材、ガラス、ゴム、セラミック、鋳物などの精密な肉厚測定
一振動子型探触子を使用する場合、金属、プラスチック、複合材、ガラス、セラミック、鋳物、その他材料の高精度な精密厚さ測定を行うことができます。オリンパスでは、さまざまな周波数、振動子径、コネクタータイプの一振動子型探触子を取り揃えています。さらに、高分解能ソフトウェアオプションを使用すると、0.001mmの分解能により、さらに精密な測定を行うことが可能です。
- すべての探触子で、0.01mmの分解能
- 2.25MHz~30MHzの一振動子型探触子の使用に加えて、高分解能ソフトウェアオプションを使用すると、最大0.001mmまでの測定表示が可能
- ハイペネトレーションソフトウェアオプションは、グラスファイバー、厚手の鋳造品などの超音波減衰材の測定に対応
- 最大4層まで、各層の厚さを同時に計測できる多層材測定機能ソフトウェアオプション
- 厚さ測定、材料音速測定、伝播時間測定
- 厚さ測定を簡易化するためのデフォルト設定およびカスタム設定機能が付いたアプリケーション自動呼出
ハイペネトレーションソフトウェアオプション
一振動子型探触子(0.5MHz~30MHz)を使用して、厚手の材料やゴム、グラスファイバー、鋳物、複合材などの超音波減衰材料を測定することができます。
多層材測定ソフトウェアオプション
最大4つの各層の肉厚測定を同時に計測し表示します。また、選択した層の厚さ値の合計を表示できます。代表的な用途には、樹脂燃料タンク、PETボトルのプリフォーム、ソフトコンタクトレンズといった多層プラスチック製品のバリア層厚さ測定などがあります。